ぐりとぐらのいちねんかん 中川李枝子 作 / 山脇百合子 絵 福音館書店 本体1,300円+税
私がはじめて出会った絵本は、やはり「ぐりとぐら」の絵本です。
幼稚園の先生は、
♪ ぐり ぐら ぐり ぐら
と歌って聞かせてくれました。
私はそれが大好きで、家でも歌うように ♪ぐりぐらぐりぐら 言っていました。
私の母は読み聞かせなどしない人でしたが、唯一読んでくれたのが、幼稚園から持って帰ってきた絵本「ぐりとぐら」でした。
そして、私の ♪ぐりぐらぐりぐら を聞いていた母も、
♪ぐり ぐら ぐり ぐら
と、この本を歌って読み聞かせてくれました。
私の大事な、温かい気持ちになる子どもの頃の記憶です。
懐かしい幼稚園の先生と、母の声が聞こえるようです。(母はまだ生きています。)
そんな思い出のある「ぐりとぐら」の絵本を自分が子どもに読みきかせる日がきたのです。
とても嬉しい!
そして知らない間に、ぐりとぐらのシリーズがたくさん増えていました。
ぐり、ぐら、お久しぶりです。
元気にお話を重ねていたんですね。
大人になってからの再会、とにかく嬉しい!!
そしてこの1冊。
「ぐりとぐらの1ねんかん」
先日、お誕生日がやってきて、カレンダーにも興味を持った息子。
私は1年とは何かを、なんとか言葉をひねりだして息子に説明してみました。
はたして理解しているのか。
怪しいのは息子の理解力ではなく、私の伝える力の方で…。
そこで絵本の力を借りようと調べたら、この絵本に出会ったのです。
ぐりとぐらが手仕事や遊び、季節のうつろいを、彩り豊かな生活をとおして教えてくれます。
ひと月ごとに添えられた詩も、テンポが良く心地良い。
息子は、自分の誕生月のところはいつもじぶんで読みたがります。
読書とは体験、となにかで読みました。
ぐりとぐらの楽しく、活気のある12ヶ月を見て、息子も1年を少しは体感することができたことと思います。
季節を感じる穏やかな日常、なんて幸せな事でしょう。
ぐりとぐらを見習い、季節を大切に息子と日々を過ごしたいと改めて思うのでした。