
ジオジオのたんじょうび
ジオジオのたんじょうび 岸田 衿子 作 / 中谷 千代子 絵 あかね書房 1,430円(税込)
どんなおはなし?
お菓子がとっても大好きならいおんのジオジオは、もうすぐ70歳のお誕生日を迎えます。
そして、お誕生日のお祝いに、特別なケーキを注文します。
食べられるかもしれないと思い、今もらいおんのジオジオを怖がっている森の動物たちは、ジオジオがご機嫌でお腹いっぱいでいてくれるように、おいしいお菓子の材料をせっせと集めます。
そして誕生日の前の夜、ジオジオは…。
さて、余談ですが…。
さとうとお塩を間違えるいたちのおくさんは、息子のツボにはまったようです。
笑いの沸点が低めな、日々おもろいことだらけの幸せ者の息子です。

この本のこと
この本は、私が年長さんの時に幼稚園で読んでもらった本で、今でも読み継がれていると知りうれしくなりました。
絵本ではなく児童書です。5~7歳向けと書いてあり、ひらがなとカタカナのみで漢字はありません。絵もたくさんあるので、絵本から児童書に進む時にとても良い本だと思います。
実際、息子も幼稚園年長の頃ひとりでちょっと読んだり、パラパラと絵を見たりしていました。今も寝る前に読んで、本棚からよく持ってきます。
「ジオジオのパン屋さん(あかね書房刊)」、「ジオジオのかんむり(福音館書店刊)」と他にも2冊出版されていますが、みんな同じジオジオなのかはちょっと不明です。私は、どれも違うジオジオのように思います。「ジオジオのたんじょうび」と「ジオジオのパン屋さん」のジオジオは服を着ているし、お菓子が好きだったり、パン屋を開いたり人っぽいことをしていますが、「ジオジオのかんむり」では自然にいるライオンです。でもどのジオジオも中身は似ているような…違う世界の、同じジオジオ?なのでしょうか。
岸田衿子さんと中谷千代子さんは、お二人で福音館書店の絵本「かばくん」シリーズも出版されています。こちらは絵本です。リズムのある言葉と、かばくん親子の可愛らしさがたまりません。
大人になってまた読んでみて
改めて読み直してみて、「ジオジオのゆめ」という章が印象的でした。
ジオジオは5歳の頃の夢をみます。
お母さんやお父さん、妹、従兄弟たち…今はもういない家族に祝ってもらった誕生日パーティの事を思い出し、どうして自分がこんなに甘いものが好きなのかがわかるのです。
夢の中の月と、目を覚ました時の月。甘い匂い。お母さんの優しい声…。少し寂しい気持ちと懐かしい気持ちでいっぱいになりますが、この本の中で私の大好きな、とても美しいシーンです。
そして次の朝、目が覚めた時のジオジオの決意に嬉しくなります。読んでいるこちらもワクワクしてしまいます。息子と思わず顔を合わせてニコニコしました。

ジオジオ、良かったね。
ぼくもブーラーの作った大きいケーキ食べてみたい。
息子も大満足です。