「おじさんのかさ」

おじさんのかさ
佐野洋子 作・絵
講談社 1400円+税


「100万回生きたねこ」の佐野洋子さんの絵本。
おじさんの背広と、傘の濃い藍色が印象的。
このお話、教科書にも載っていたのだそう。
私も習っているのだろうか。
いかに自分が真面目に授業を受けていなかったかがわかる。

雨の日、息子と傘をさして散歩していたら

「あめが ふったら ポンポロロン
 あめが ふったら ピッチャンチャン」

と歌うように言っている。

はてなんだったっけ?と思い、聞けばこの絵本だった。
雨といえば、息子はこのフレーズなのか。
さすが何年も読まれた名作。
とてもよく耳に馴染む。

傘が大好きで、とても大切にしているおじさん。
大切にしすぎるあまり、実はこの傘、、。

と、あまり内容を書くのはどうかと思ったのだが、
講談社の紹介文で書かれているので、書いてしまっていいだろう。

おじさんは傘が濡れるのがいやで、傘をさした事がない。

晴れの日も大切に持ち歩いている。
荷物になるのがいやで、できるだけ傘を持ち歩きたくないなどと言っている私は、おじさんを見習わなければ。

おじさんは家で傘を広げてみては、うっとりしているらしい。
なんとも可愛らしいおじさん。

雨の日は、傘が濡れるから外へは出かけない。
(…おじさんは何をして暮らしている人なのだろう。
いやいや絵本の世界では無用な疑問か。
ここは子どもの世界なのだから。)

そしてある日、突然雨に降られたおじさんは…。

少ししか出てこないが、
おじさんの奥さんがとても好き。
ユーモアがあるというか、相手を受け入れるセンスというか、、とにかくこういう人でありたいものだ。

子どもは固定概念を壊してくれるというか、”え、それをそう使うの?“というような驚きを与えてくれる。
絵本もそうだ。
濡らしたくないから傘をささない、とは…!
素敵な発想だなぁ。

子どものころ、可愛いから使うのがもったいなくて、ずっとしまっていたキキララの便箋を思い出した。
いや私の場合、もったいないというケチな気持ちであり、おじさんの純粋な大事にしている気持ちとはまた違うな。

大人になり、使わなければ損とか無駄だとかいう気持ちばかりが大きくなってしまった。

このおじさんは子どもの心を持っているのだろうな。

そして良いなと思ったことを、素直にやってみる柔らかさもある。
また新しい良さも、見つけられる。

なんとも素敵なおじさんだ。
傘も幸せものだなぁ。

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