ゆうびんやさんのホネホネさん
にしむら あつこ/作・絵
福音館書店 743円+税
お化けにガイコツ、子どもにとって、よくわからないけど何か怖いもの達。
だけどなぜか気になるらしい。
そしていつの間にか、お化けもガイコツも好きになっている。
赤ちゃん向けの、こわいけれど気になる本の定番が「ねないこ だれだ」だとすれば、
幼児向けベストオフ定番は、「ゆうびんやさんのホネホネさん」に私の中で決まった。
何度か読んであげれば、4歳の息子でも一人で読める。
絵の情報量が多いので、ずっと見ていても飽きないのだ。
静かだなと思えば、ひとりで真剣に見ている。
ホネホネさんは、図書館に面で陳列してあった。
ビビットな黄色の背景に、モノクロのホネホネさんの絵はとても目をひく。
そしてガイコツ。名前の通り、ホネホネさんはガイコツだ。
恐竜の本ばかり借りている息子が、久々に手にした絵本。
題名のとおり、郵便屋さんのホネホネさんがお手紙を届ける、というお話。
ギコギコキーッ
ホネホネさんは、自転車で配達に行く。
ギコギコキーッのところを読むだけで、息子は楽しそうに大笑いしている。
先にも書いたが、この絵本は見どころがたくさんだ。
見返したらキリがないくらい発見がある。
ホネホネさんが、配達に行く街の地図のようなページがある。
息子は、この家はトンスケの家で、ここはすいれん池(ホネホネさんは池の中へだって配達に行けるのだ)とか言ってずっと見ている。
たくさんの描き込みが子供には楽しいようだ。いや、大人の私も楽しんでいる。
ホネホネさんや、配達先の登場人物(動物?)たちもみんな個性的だ。
可愛らしいのに尖ったこのセンス。
トリオくんの家の飾り物や、ニョロコさんのお洒落さについて息子と話す。
読み聞かせも楽しいが、こんなふうに本を見ながら、あれこれ話が膨らむのもまた良い時間だ。